手続」(57手続)については、利用者の満足度等を指標に掲げた利便性向上の取組が推進された。 2016 年の「官民データ活用推進基本法」施行により再度、行政手続に係るオンライン利用の原 則化が定められたことを受け、各府省は、2019年に施行されたデジタル手続法の下、行政手続等 の利便性の向上や行政運営の簡素化・効率化のため、行政手続のオンライン化の実施に取り組むと ともに、オンライン化実施済手続についても、更なる利便性向上に向けた取組を推進している。 「デジタル・ガバメント推進方針」の別紙として示された「規制制度改革との連携による行政手 続・民間取引IT化に向けたアクションプラン(通称:デジタルファースト・アクションプラン)」 では、基本的な考え方として「デジタル・ファースト原則」「ワンスオンリー原則」「コネクテッ ド・ワンストップ原則」の 3 原則に基づいて推進を図ることを示した。また、このようなデジタル 3 原則は、デジタル手続法第 2 条(基本原則)として、法制上の位置付けが明確化されている( 表 1-3-1-3)。 図表 1-3-1-3 デジタル手続法の概要 デジタル手続法の概要(令和元年12月施行) デジタル技術を活用した行政の推進の基本原則 行政手続におけるデジタル技術の活用 デジタル化を実現するための情報システム整備計画 民間手続におけるデジタル技術の活用の促進 国の行政手続(申請及び申請に基づく処分通知) について、オンライン化実施を原則化 (地方公共団体等は努力義務) 行政手続に関連する民間手続のワンストップ化 法令に基づく民間手続について、支障がないと認める場合に、 デジタル化を可能とする法制上の措置を実施 オンライン化、添付書類の省略、情報システムの共用化、 データの標準化APIの整備、情報セキュリティ対策、BPR 行政手続のオンライン原則 添付書類の省略 行政機関間の情報連携等によって入手・参照できる情報 に係る添付書類について、添付を不要とする規定を整備 (登記事項証明書(令和2年度情報連携開始予定) 住民票の写しなどの本人確認書類等) 行政手続のデジタル化のために必要な事項 デジタル技術の利用のための能力等の格差の是正 (高齢者等に対する相談、助言その他の援助) ①デジタルファースト:個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する ②ワンスオンリー:一度提出した情報は、二度提出することを不要とする ③コネクテッド・ワンストップ:民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現する デジタル技術を活用し、行政手続等の利便性の向上行政運営の簡素化・効率化を図るため、 行政のデジタル化に関する基本原則及び行政手続の原則オンライン化のために必要な事項等を定める。 ○行政手続オンライン化法の改正 本人確認手数料納付オンラインで実施 (電子署名等、電子納付) デジタルデバイドの是正 (出典)首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/hourei/pdf/digital_gaiyo.pdf) ⅱ コロナ禍を受けた今後の方針 2020(令和2)年に改定された「デジタル・ガバメント実行計画」では、感染症の拡大防止及 び新たな生活様式の確立に向け、新型コロナウイルス感染症拡大への対応を通じて表面化した行政 デジタル化の課題等を踏まえつつ、デジタル化の更なる加速に取り組むとともに、オンライン化実 施済手続についても、更なる利便性の向上に向けて取り組むことが求められた。 (イ)地方公共団体における手続オンライン化 ⅰ コロナ禍以前の取組 地方公共団体における申請・届出等手続の電子化については、2006(平成 18)年 7 月、総務省 3 公的分野におけるデジタル化の現状と課題 令和 3 年版 情報通信白書 1 115 1