⑥まとめ
本項では、賃金、採用、人材育成、人事評価制度、職場環境の改善の取組状況と人材確保への効果を確認した。賃金が人材確保に好影響を及ぼす可能性が確認できるものの、賃上げ余力の乏しい中小企業にとっては、付加価値を高めて魅力ある賃金体系を築いていくだけではなく、賃金のみによらずに働き手に選ばれる事業者になることが重要である。
採用については、人材不足に加えて採用コストの増加などで採用難易度が上がっている状況下、経営者自らが採用に携わり組織の魅力を伝えていくことや、イノベーション等を通じて魅力ある職場にしていくことが採用目標達成に寄与する可能性が示唆された。外国人労働者や副業・兼業人材の活用も人材不足解消の一助となる可能性がある。
人材育成については、育成リソースの確保などにコストが掛かるものの、定着率、業績向上に寄
与する可能性があり、人材不足の状況下では重要な取組課題といえる。人事評価制度による明確・公正な評価が定着率を高める可能性も見て取れた。
職場環境の改善では、働き方改善の取組や円滑な社内コミュニケーションが人材確保に寄与する可能性が示されたほか、円滑な社内コミュニケーションにより労働生産性の向上も期待できることが確認された。
事例2-1-5では人材育成の取組を強化することで、人材の採用と育成に成功している企業の事例を紹介する。
事例2-1-6では働き方改善と社内コミュニケーションの活性化に取り組むことで人材確保を実現している企業の事例を紹介する。
事例2-1-7では人口減少が顕著な地方圏において、外国人材を積極的に活用し、成長を実現している企業の事例を紹介する。