3. 中小企業診断士の活躍

経営コンサルタントとして中小企業支援に携わる診断士に加え、経営診断の知見やスキルを所属する組織内で活用する診断士など、活躍の場面は多岐にわたる。

<経営コンサルタントとして活躍する女性診断士>

女性診断士A氏は、顧問先の建設業I社で女性技術者が活躍していることに着目し、「女性目線の建設業」をコンセプトに経営者と共に改革を進めていった。特に顧客開拓においては、保育園などの「女性が多く働く職場」を重点ターゲットに設定。保育園建設では、現場で働く人の声が不可欠と考え、「保育士女子会」などの開催を通じてニーズを収集し、女性ならではの気遣いとお客様の声を伺う姿勢を前面に打ち出した。こうした取組が奏功しダイバーシティ経営に取り組む企業から大型案件を受注したこともあり、支援を開始してからの13年間で売上高は7倍以上に成長している。

また、別の顧問先であるアパレル製造業N社では、売上高の9割近くを占めていたメイン取引先の売上高が半分以下に激減し、予断を許さない状況から支援を開始した。それまでの流通を見直し、業界としては異例の試みで季節セールを撤廃。原価計算と値付けの高精度化により、売上総利益率を2.9倍に伸ばした。これによって売上高は微減したものの利益金額を増加させ、N社は危機を脱することができた。加えて、自社の廃棄衣料をゼロにし、消費者への啓発活動も行う「捨てないアパレル ® 」の取組は、県のビジネスプランコンテストで最優秀賞を受賞。これらの事業推進はA氏と後継者の二人三脚で行い、その経験を基に事業承継が実現した。

<経営診断の知見やスキルをいかり所属企業内で活躍する若手診断士>

30代の女性診断士K氏は、IT企業で営業担当として従事している中で、コンサルティング領域のスキルを習得する必要性を感じ、診断士資格の勉強を開始。診断士資格の取得を目指していることを社内の上層部に伝えたため、意欲的な社員として期待値が高まり、目線の高い業務へのアサインが増加した。具体的には、社内から選抜された社員を集めたプロジェクトにアサインされ、食品インダストリーでのホワイトペーパー作成を担当した。作成に当たっては、業界における外部環境の変化を踏まえた上で、当社が考えるDXアジェンダを整理する必要があり、診断士資格取得を通じて得た知識や論理的思考力を活用。新規顧客の獲得や既存顧客に対して認識の変化を促すことを主な目的とし、中長期での目線を踏まえつつ、足下の事業課題にどのように対応していくのかを記載する方針とした。

所属企業から資格勉強で得た知識は企業内でもいかされていることが認められたと感じており、診断士資格取得後は昇進を果たした。当社では兼業が認められているため、今後は兼業先で得た気づきや学びを社内で活用するなど、積極的に相乗効果を生み出すべく検討している。