事例

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経営者ネットワークでの意識変革を成長につなげている企業

所在地 奈良県葛城市
従業員数 71名
資本金 3,000万円
事業内容 飲料・たばこ・飼料製造業

梅乃宿酒造株式会社
▶ 酒類需要の減少に直面しつつも変わらない自社に問題意識を抱く

奈良県葛城市の梅乃宿酒造株式会社は、1893年創業の老舗酒蔵である。近年では、梅酒をはじめとした日本酒仕込みのリキュール「梅乃宿あらごし」シリーズが人気商品となっている。2013年に同社の社長に就任した5代目の吉田佳代社長は、人口減少やライフスタイルの変化による国内の酒類需要の減少から、自社の今後の売上げに不安を感じていた。一方、長い歴史の中で築き上げた相応の収益基盤によって社員には危機感が乏しく、経営幹部と共に自社の変革実現を議論する会議も頓挫してしまった。ただ、吉田社長はこの会議を通じて、自社が変わらない原因は社員ではなく、経営者である自分自身にこそ変革を進める覚悟がなかったことに気が付いたという。

▶ 自身の経営の固定観念から解放。成長意欲が駆り立てられ、変革に取り組む

吉田社長は自身を変革するために、高い数値目標を掲げる成長意欲にあふれた若手起業家が各地から集まる経営者ネットワークに飛び込んだ。最も自身を高めてくれそうなネットワークを能動的に探索したという。「外から見ていてすごいと思っていた経営者の方も、内情を話し合うと意外と自分と共通した悩みもあった。いろんな経営をしている方がいて『こんなに自由でいいんだ』と視野が広がった」とネットワーク参加当時を振り返る。また、多様な経営者と切磋琢磨することは自身の成長意欲を駆り立て、自社と同程度や自社よりも小さな規模の企業が挑戦して成長する様子に競争心と成長への覚悟を再認識することとなった。成長を目指すに当たっては、明確に高付加価値化による売上げ・利益拡大の方針を打ち出し、推進する覚悟を決めた。「売上高 = 顧客に喜んでもらった数」、「利益 = 自分たちの付加価値への評価」と定義した上で、売上高と利益の両方を追求する必要があることを社員に改めて訴えた。社内では、「現状維持では落ちるだけ」という問題意識を明確に提起し、売上高と利益を追求する重要性を浸透させるため、中期計画も従来の保守的な計画から高い目標に変更した。吉田社長の成長意欲は徐々に社員の意識変革も引き起こし、1年半ほど前には社員から「10年後の売上高200億円を目指す」という高い目標が出されるまでになったほか、幅広い層の社員の前向きな発言が目に見えて増えているという。

▶ 経営者自身の変革は会社の変革にもつながり、売上増加や人材確保、組織の活性化が実現

現在ではその大きな目標を1年単位の計画に落とし込みながら全社で挑戦しており、直近2024年6月期の売上高は過去最高の約30億円に到達した。国内の酒類需要が減少傾向にある中、海外展開を強化して旺盛な需要を獲得することで成長につなげている。また、吉田社長の成長志向に共感して大企業等からも新たなメンバーが加わり、社内の雰囲気は更に活性化している。「企業は経営者の『器』以上には成長しないとよく言われる。経営者ネットワークにおける様々な経営者との関わりは、自身の『器』を大きくしてくれた。また、ネットワークで得た『経営者の覚悟』、『良いお手本』は企業の成長に欠かせない。『経営者の覚悟』がなければ会社の成長は実現できない。『良いお手本』がなければ、正しい成長にはつながらない。当社は、これらをかして更なる成長を遂げていきたい」と吉田社長は語る。

吉田佳代社長
吉田佳代社長

吉田佳代社長

梅乃宿あらごしシリーズ
梅乃宿あらごしシリーズ

「梅乃宿あらごし」シリーズ

社内会議の様子
社内会議の様子

社内会議の様子