⑧売上高営業利益率
最後に、利益率について確認する。第2-2-17図は、スケールの変動状況別に、売上高営業利益率の推移を見たものである。これを見ると、「スケールアップ」企業は、10年間で売上高営業利益率を高めていることが分かる。一方で、「維持」企業はおおむね横ばい、「スケールダウン」企業は低下傾向で推移していることが分かる。
は低下傾向で推移していることが分かる。
ここまでの調査結果から一概にはいえないが、スケールアップを実現した企業は、利益率を継続的に高めるとともに、資本を積み上げながら、設備投資により資本装備率を高め、それらの設備を有効活用し、売上高を高めてきた可能性が示唆される。
第2-2-17図 売上高営業利益率の推移(スケール変動状況別)
| 年度 | スケールアップ (n=3,659) | 維持 (n=5,264) | スケールダウン (n=1,931) |
|---|---|---|---|
| 2013 | 3.5% | 3.0% | 2.9% |
| 2014 | 4.2% | 2.9% | 2.4% |
| 2015 | 4.7% | 3.1% | 2.4% |
| 2016 | 5.3% | 3.3% | 2.5% |
| 2017 | 5.6% | 3.2% | 2.4% |
| 2018 | 5.4% | 3.1% | 2.0% |
| 2019 | 5.0% | 2.9% | 1.8% |
| 2020 | 5.0% | 2.9% | 0.3% |
| 2021 | 6.1% | 3.3% | 1.0% |
| 2022 | 6.1% | 3.2% | 0.8% |
資料:経済産業省「企業活動基本調査」再加工
(注) 1. パネルデータを基に算出している。パネルデータの詳細は、第2部第2章第2節冒頭の脚注を参照。
2. 売上高営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100 (%)、営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費。
⑨まとめ
本項では、経済産業省「企業活動基本調査」のパネルデータを用いて、スケールアップを実現した企業の財務指標等を概観しその特性について確認した。2013年度から2022年度までの10年間における、スケールの変動状況を見ると、約3社に1社がスケールアップを実現していることが分かった。業種別では、「不動産業、物品賃貸業」、「情報通信業」といった業種でスケールアップを実現した割合が高く、反対に「小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」では特にスケールダウンの
割合が高くなっていることを確認した。
スケールの変動状況と財務指標等の関係性を見てみると、スケールアップを実現した企業は、設備投資により取得した有形固定資産を有効活用していることや、売上高の増加と同時に、売上高営業利益率も高めていることが分かった。利益率を継続的に高めるとともに、資本を積み上げながら、設備投資により資本装備率を高め、それらの設備を有効活用し、売上高を高めるという好循環の中で、スケールアップを実現してきたことがうかがえる。