事例

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支援機関を有効活用し、経営課題を乗り越え
成長する企業

所在地 宮崎県都城市
従業員数 45名
資本金 4,500万円
事業内容 機械器具卸売業

株式会社新原産業
▶ 成長過程で技術・ノウハウの属人化が進み、承継と平準化が喫緊の課題に

宮崎県都城市の株式会社新原産業は、養豚、養鶏業向けの畜産機材卸売を柱に、畜舎の設計・施工から機材の製造・販売までワンストップで行う企業である。畜産機材の輸入販売から、南九州の風土に合わせた機材のカスタマイズ、更に発展して畜産農家の「お困りごと」に応じた畜舎の設計・リフォーム、機材の製造にも事業を拡大して成長してきた。一方、こうした同社の成長は、社員の高い提案力や設計力等に裏付けられるものであるが、重要なノウハウは一部のベテラン社員に属人化していた。さらに、祖業が卸売であり製造業のノウハウがないまま、段階的に製造部門を拡大してきたため、非効率的な生産現場となっていた。持続的に成長していくためには、次世代を担う若い社員への技術・ノウハウの承継と製造現場の改善が喫緊の課題となっていた。同社の新原弘二社長は「目の前の仕事がますます広がる中で生じる経営課題に、経営陣だけで対応することに苦労していた」と振り返る。

▶ 支援機関を活用して大きな課題であった組織変革と製造現場の見直しに着手、課題を克服

こうした課題の解消に向けて、まず、2018年に独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」)によるハンズオン支援を受け、組織づくりに着手。具体的には、40歳前後の社員3名を部長、工場長に据えることで組織の若返りを図るとともに、業務の主体となっている営業部門を1課、2課に分け、チーム制を敷いた。これにより、若い社員も含めたチーム内のコミュニケーションの活性化につながり、ベテラン社員から若手社員への技術承継が進んでいる。中小機構による組織づくり支援は、技術承継だけではなく、ITや専門的な工事・建築の知識を持つ若手社員とベテラン社員の連携を促進し、新たな事業展開にもつながっている。新原道子副社長は「これまでは個人の力量に頼って成長してきたが、社員同士で得意分野と不得意分野を補完できるようになり、若手にも活躍の場が生まれた。組織として一枚岩になっている」、新原成道常務は「若手社員のモチベーションは間違いなく高まっている」と語る。また、製造現場の改善でも中小機構のハンズオン支援を活用。これまで行き届いていなかった5S活動といった製造業の基礎から学び直し、作業手順書の整備といった製造工程の標準化を進め、限界を迎えていた生産能力を大きく向上させている。

▶ 新社屋・工場の建設により社内連携を推進し、外部株主の支援を受けながら、一層の成長を目指す

更なる成長を見据え、同社は2024年10月に新社屋・工場を建設した。これにより、単なる生産能力の強化だけでなく、分散していた作業場や事務所が一拠点に集約され、製造現場と営業現場といった部門を超えた、社内連携の一層の推進を実現する考えた。建設資金の調達に当たっては、大阪中小企業投資育成株式会社(以下、「投資育成」)の出資を活用。出資後は投資育成の支援により、自社を客観的に見る機会や細かな経営課題への助言を得られていることに加え、長男である新原崇弘専務への事業承継に備えて後継者育成プログラムも活用している。同社の今後の展望について「システム畜舎の設計やデータに基づいた製品の提供など、『進化するアグリサポーター』としてDX分野も取り入れながら、より高いレベルでお客様の課題解決に貢献することで成長していきたい」と新原社長は語る。

新原弘二社長、道子副社長、崇弘専務、成道常務の4人が並んで座っている写真
新原弘二社長、道子副社長、崇弘専務、成道常務の4人が並んで座っている写真

(右から) 新原弘二社長、道子副社長、崇弘専務、成道常務

新社屋・工場の外観写真
新社屋・工場の外観写真

新社屋

ブロイラーの体重を量るバードスケール
ブロイラーの体重を量るバードスケール

ブロイラーの体重を量り、データを飼育に活用するバードスケール