③設備投資の実施予定
最後に、今後の設備投資の実施予定と実施予定額を確認する。第2-2-47図は、スケール変動状況別に、今後3年間程度における設備投資の実施予定・総投資予定額を確認したものである。これを見ると、「実施予定はない・総投資予定額は未定」と回答している割合は、「スケールアップ」の事業者の方が、「横ばい・スケールダウン」の
事業者よりも低いことが分かる。スケールアップを実現した事業者は、更なるスケールアップを目指して、設備投資を検討していることがうかがえる。また、設備投資の総投資予定額についても、1億円以上と回答している割合は、「横ばい・スケールダウン」の事業者よりも、「スケールアップ」の事業者の方が高いことが分かる。
第2-2-47図 今後3年間程度における設備投資の実施予定・総投資予定額(スケール変動状況別)
| スケール変動状況 | 10億円以上 | 5億円以上~10億円未満 | 3億円以上~5億円未満 | 2億円以上~3億円未満 | 1億円以上~2億円未満 | 1億円未満 | 実施予定はない・総投資予定額は未定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スケールアップ (n=2,885) | 4.6% | 4.6% | 5.6% | 4.7% | 11.9% | 38.5% | 29.9% |
| 横ばい・スケールダウン (n=20,684) | 3.8% | 41.8% | 49.7% |
資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」
(注)1.今後3年間程度における設備投資の実施予定、及び、実施を予定している場合における総投資予定額を聞いたもの。複数回の実施を予定している場合における総投資予定額は、最も投資予定額が大きいものを回答している。
2.5期前と今期見通しの売上高を比較して、第2-2-6図の売上高区分を基に、上方遷移した場合を「スケールアップ」、スケールの変動がない場合又は下方遷移した場合を「横ばい・スケールダウン」と定義している。
3.総投資予定額について、「1億円以上~2億円未満」は、「1億円以上~1億5千万円未満」、「1億5千万円以上~2億円未満」と回答した事業者の合計。「1億円未満」は、「1千万円未満」、「1千万円以上~5千万円未満」、「5千万円以上~1億円未満」と回答した事業者の合計。
④まとめ
本項では、設備投資の実施状況、その目的や効果等について確認した。経済産業省「企業活動基本調査」による分析では、一定規模の設備投資、無形固定資産投資の実施は、売上高を高め、成長につながる可能性が示唆された。また、アンケート調査を用いて、設備投資の実施とスケールアップ
の関係性について確認したところ、業種によって差異はあるものの、設備投資の実施は、スケールアップに向けて有効な投資行動の一つであることが分かった。また、設備投資の目的については、特に生産・販売能力の強化を目的とした設備投資が、スケールアップの一助となっている可能性が示された。