第3版改訂時は、提供する業務の内容・質とその対価となる手数料の額(M & Aにおける相手方の手数料を含む。)について、中小企業向けに確認すべき事項を解説するとともに、仲介者・FAに対して求められる説明について追記している。

また、第2版改訂時と同様にM & A専門業者の支援の質を確保する観点から、仲介者・FAが実施する営業・広告に係る規律の明記や仲介者において禁止される利益相反事項の具体化を図っている。

さらに、譲渡側・譲受側の当事者間において、最終契約に定めた事項の不履行等のトラブルも発生している。特に、譲渡側の経営者保証の扱いについては、譲受側に移行させる想定であったにもかかわらず、実際には移行しない不適切な譲受側の存在も指摘されている。

これらを踏まえ、最終契約(株式譲渡契約等)において当事者間でトラブルに発展する可能性があるリスク及びその対応策について解説するとともに、仲介者・FAに対して求める対応について追記している。加えて、最終契約の不履行を意図的に生じさせるような不適切な譲受側を市場から排除するために、仲介者・FAに求められる対応についても追記している。

2. M & A支援機関登録制度

中小企業庁では、初版を策定した後、2021年8月に「M & A支援機関登録制度」(以下、「登録制度」という。)を創設した。登録制度への登録を希望するM & A支援機関に対して、中小M & Aガイドラインの遵守宣言を求めることや、事業承継・引継ぎ補助金(現:事業承継・M & A補助金)の専門家活用枠において、登録制度に登録されたM & A支援機関を活用することを要件とすること等により、中小M & Aガイドラインに記載された行動指針の普及・定着を図ってきた。

また、登録制度においては、登録継続の要件として、手数料の算定基準の開示を求めることとした。これを受け、2024年8月以降、同制度のホームページでは、登録支援機関ごとに、登録支援機関の種類(専門業者、金融機関等の別)、M & A支援業務の開始時期、専従者や所在地、また、手数料の算定基準(最低手数料の水準や報酬基準額の種類等)等を確認・検索することができるデータベースを提供しており、中小企業が仲介者・FAを選定する際の情報収集手段として有用である。