③まとめ
本項では、企業類型別のガバナンス体制構築、経営の透明性への取組の違いを分析してきた。ガバナンス体制構築の取組では、「同族企業」に比べて「パブリック企業」、「所有と経営の分離企業」の方が進んでいることが見て取れた。ガバナンス体制の構築が成長やリスク管理のために重要な財務戦略へとつながっている可能性も確認され、「同族企業」でもガバナンス体制構築を進めることが課題といえよう。また、経営計画策定や透明性を高める取組についても「同族企業」に比べて、他の2類型の方が積極的に取り組んでいることが分かる。
株主を意識して経営を行う「所有と経営の分離企業」は、他の2類型に比べて成長意欲が高い傾向にあることも確認した。「同族企業」、「所有と経営の分離企業」は安定した株主構成を背景に、長期的な目線で経営を行っている可能性も示唆された。各類型で一長一短の部分があり、それぞれが自社に不足している観点を見定めて対応することが重要といえよう。
事例2-1-4では外部株主の導入を契機に、取締役会の機能強化、社外取締役の登用といったガバナンス体制強化と経営の透明性向上に取り組んでいる企業の事例を紹介する。