事例

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人材育成と社会課題解決への取組により、
人材を確保し成長している企業

所在地 高知県高知市
従業員数 147名
資本金 4,800万円
事業内容 情報サービス業

四国情報管理センター株式会社
▶ 地方に所在するIT企業として人材確保が年々困難に

高知県高知市の四国情報管理センター株式会社は、四国エリアを中心に、官公庁と民間企業にITソリューションを提供する企業である。業界全体としてプログラミングなどITスキルを持つ人材(以下、「IT人材」という。)が不足している状況下、IT人材が大都市や大手同業者に流れる傾向が強まっており、地方圏に所在する同社では、IT人材を確保するハードルが年々高まっていた。同社では例年、新卒採用で3~10名、中途採用で5名程度を採用しており、技術職は約110名が在籍。この5年間における採用時点での未経験人材比率は約5割で、10年前の約4割から高まっている。同社の中城一社長は「IT人材の採用が難しくなっている中、未経験人材を採用し、IT人材に引き上げるべく育成に取り組んできた」と話す。

▶ 未経験人材への手厚い研修を用意し、全社員の学習意欲も喚起

未経験人材の研修プログラムは、中城社長自らが先頭に立って構築した。同社では、未経験人材は入社後2か月間業務に従事せず、外部の基礎研修を受講して土台を作る。続いてOJTによる2か月間のシステム開発実践研修、4か月間の高度スキル技術研修、OJTによる2か月間の高度スキル実践研修と、計10か月間にわたる手厚い教育を施している。また、経験を積んだ社員が更にスキルアップする制度も整備。AI等の高度スキルの習得では、研修受講料を会社が負担し、就業時間内での学習も認めている。さらに、ITに限らず、全社を挙げて新しい知識を習得する風土も醸成すべく、2024年からは、営業・総務職も含む全社員が参加する新しい知識習得のための「学習コンペ」を開始した。目指す資格が同じ社員を4人前後のチームにまとめ、四半期ごとに学習状況と受験結果を全社に報告し合い、良好な取組を行ったチームには表彰と副賞を授与する、というユニークな取組だ。これらの取組による同社の人材育成関連投資は年間数千万円にも及んでいる。また、人材育成の強化には育てる立場にある上席者の理解と意識向上も欠かせない。中城社長は「部下の成長に上司が責任を持つこと」と掲げ、同社の将来像と求められるスキル、そこに至るまでに必要な人材育成について社長自ら社員に丁寧に説明し、全社員の理解・協力を得ることを大切にしている。また、「社員のITスキル習得意欲を高めるためには、仕事の『やりがい』も重要だ」と中城社長は語る。デジタル技術を活用して農産品直販所の販売状況を可視化するなど、地域の社会課題解決にも積極的に取り組み、社会への貢献を社員に実感させることで挑戦意欲を促している。

▶ 人材育成と社会課題解決の取組は、人材確保と事業展開に好影響を及ぼしている

一連の取組により、未経験人材は同社を支える戦力になっている。次世代の事業を担う高度資格取得者も着実に増加し、高度デジタル技術の社会実装など新たな事業展開の可能性も生まれている。また、同社の人材育成や社会課題解決への取組は採用・定着にも好影響を及ぼしている。最近では同取組に興味を持ったUターン・Iターン層の入社希望者が増加していることに加え、定着面を見ても2023年度の同社離職率は2.7%と業界他社と比較して低水準にある。「課題があふれているこの地域をテクノロジーで前進させたい。社員の成長により課題解決に資する新しい価値を提供することで会社を成長させていく」と中城社長は語る。

中城一社長
中城一社長

中城一社長

デジタル技術を活用した地域の社会課題解決
デジタル技術を活用した地域の社会課題解決

デジタル技術を活用した地域の社会課題解決

学習コンペでの表彰
学習コンペでの表彰

学習コンペでの表彰