コラム
2-1-2 中小企業診断士
1. 中小企業診断士とは
中小企業の発展において、中小企業が経営資源に関して、適切な経営の診断及び経営に関する助言(以下、「経営診断」という。)を受けることが重要である。そのため、経済産業省では、中小企業が経営診断を受ける機会を確保し、また、経営診断に従事する者の資質の向上を図ることを目的に、経営診断に関して一定の能力を有すると認められる者を中小企業診断士(以下、「診断士」という。)として登録している。
診断士制度は昭和38年に中小企業診断員制度として法定化された後、昭和44年に中小企業診断員から「中小企業診断士」に名称が改称された。当初、診断士は過去の財務諸表等の分析による問題点の抽出など、中小企業に対して「診断(現状把握・分析)」を行うことが求められていた。その後、平成12年に中小企業支援法(以下、「支援法」という。)が制定されたことに伴い、従来の「診断」業務だけではなく、経営診断の専門家として、中小企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスを行うことに加え、中小企業と行政・金融機関等をつなぐ橋渡し役となることを期待され、現在では数多くの診断士が様々な分野で活躍している。
令和5年度末時点での診断士の登録者は32,373人であり、年齢は50代が28.9%と最も多く、次いで40代が26.3%である。また、勤務先の状況としては26.7%が経営コンサルタントとして勤務しており、民間企業や金融機関、公的機関に勤務しながら診断士資格を保有している「企業内診断士」は64.6%に上る。加えて、診断士の活動分野としては「経営企画・戦略立案」が21.6%と最も多く、「経営全般」が11.6%、「販売・マーケティング」が10.4%の順になっている(コラム2-1-2①図)。
コラム 2-1-2①図 診断士登録者の年齢構成比・勤務先状況、活動分野
登録者の年齢構成比 (n=32,373)
| 年齢区分 | 割合 |
|---|---|
| 20歳代 | 7.9% |
| 30歳代 | 13.5% |
| 40歳代 | 26.3% |
| 50歳代 | 28.9% |
| 60歳代 | 19.9% |
| 70歳代 | 2.1% |
| 80歳代 | 0.2% |
| 90歳代 | 1.3% |
診断士の勤務先状況 (n=32,373)
| 勤務先状況 | 割合 |
|---|---|
| 経営コンサルタント | 26.7% |
| 民間企業 | 52.4% |
| 公的機関 | 12.2% |
| その他 | 8.7% |
診断士の活動分野 (n=1,783)
| 活動分野 | 割合 |
|---|---|
| 経営企画・戦略立案 | 21.6% |
| 経営全般 | 11.6% |
| 販売・マーケティング | 10.4% |
| 財務 | 7.7% |
| 情報化・IT化 | 5.5% |
| 人事・労務管理 | 4.5% |
| 事業再生 | 28.4% |
| その他 | 10.3% |
「その他」の内訳は生産管理、事業承継、M&A、創業支援など
資料:(左図及び中央図) 中小企業庁「中小企業診断士登録簿(令和5年度末時点)」より中小企業庁作成
(右図) (一社) 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士活動状況アンケート調査(令和3年5月)」より中小企業庁作成
2. 中小企業診断士制度について
診断士として登録を受けるためには、支援法第12条第2項において指定試験機関として指定される一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会が実施する診断士試験に合格し、経営診断に関する実務に一定期間従事するなど、所定の要件を満たす必要がある。
また、診断士としての登録有効期間は5年間であり、その登録有効期間内において、経営診断に関する実務従事及び新たな知識の補充を目的とした理論政策更新研修等を修了することで登録の更新を行うことができる。