事例

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“人”重視の投資で地域経済を牽引し、良質な雇用を生み出す企業

所在地 山梨県韮崎市
従業員数 274名
資本金 5,000万円
事業内容 電気機械器具製造業

株式会社ササキ
▶「人間の手でしか作れない分野」では、人材確保がカギ

山梨県韮崎市の株式会社ササキは、電気供給や信号用の電線を束にしたワイヤーハーネスを製造する企業である。半導体製造装置を中心に、航空・宇宙・防衛、自動車(レーシング)、理化学機器といった、特に高い信頼性が要求される四つの領域を対象に、高付加価値の製品を多品種少量生産・短納期で手掛けられることが強みだ。「(自社の製品は、)人間の手でしか作れない分野。はんだ付け一つでも品質を左右し得る」と佐々木啓二社長が語るように、細かい手作業が必要とされる同社製品の製造においては、人材確保がカギとなる。

▶取引先の需要増に対応すべく、人材確保・定着の取組を進める

2018年に主要取引先である半導体メーカーが宮城県で生産体制を増強したことに伴い、同社も宮城県に工場を建設し、半導体製造装置分野を山梨本部から増設することとなった。新たな土地で取引先の需要増に対応できる生産体制を構築するため、同社は人材の確保・定着に向けて様々な取組を行った。まず、毎年3.0~3.5%の定期昇給による賃上げを実施し、従業員への利益還元を進めながら、子育て世帯の女性が働きやすい環境を整備するため、フレキシブルな勤務体制の導入など就業規則の改正に取り組んだ。また、月額1万円の子ども手当を取り入れるなど、従業員からの要望を踏まえた職場環境の整備や福利厚生の充実等を進めた。その結果、2024年にはほぼ100%の従業員を現地で採用し、従業員数は220名に拡大。また、同社は地域での新たな雇用創出だけでなく、現地企業との協業連携を進めることで地方サプライチェーンの活性化に貢献し、地域経済を牽引する役割を担いつつある。

▶「山梨に『丸の内』を」をコンセプトに地域の良質な雇用を実現

さらに2023年には、自動車R&D分野、航空・宇宙・防衛分野を強化するため、山梨本部に新工場を建設。同工場を働きやすく誇れる職場とすべく、「山梨県韮崎市に『丸の内』をつくる」をコンセプトに掲げ、女性や若手の意見を多く取り入れ、広くすっきりした作業スペース、明るくモダンな休憩所、フィットネスジム、パウダールーム付き更衣室などを完備。現在では、女性比率は5割を超え、新卒採用では毎年必要な人数を確保しており、従業員の平均年齢は38歳と若手が多い。こちらも従業員は現地採用で、女性・若者を山梨に定着させており、良質な雇用を実現している。

今後は、生産力強化と並行して工場内のDXによる生産性の向上を進めながら、半導体の需要変動に左右されないよう、半導体製造装置以外の新分野の技術力も高めるために全社一丸で成長を続け、2031年の売上高110億円を目指している。「職場環境の評判が地域で広まっており、無理なく人材確保ができている。今後は年4.5%の賃上げを目指し、働きやすい職場環境を一層整備し従業員のエンゲージメントを高め、業績向上による従業員への還元という好循環を続けていきたい」と佐々木社長は語る。

佐々木啓二社長の肖像写真
佐々木啓二社長の肖像写真

佐々木啓二社長

山梨本部の外観写真
山梨本部の外観写真

山梨本部 外観

ワイヤーハーネスの製品写真
ワイヤーハーネスの製品写真

主力製品のワイヤーハーネス