次に、アンケート調査を用いて、設備投資の実施状況、その効果や目的等について確認していく。第2-2-43図は、直近5年間程度の設備投資の実施状況について、業種別に見たものである。これを見ると、「実施した」と回答した割合が最も高い業種は「宿泊業」であり、次いで「運輸
業、郵便業」、「製造業」と続いていることが分かる。これらの業種は、サービスの提供や製品の製造、その品質や生産性の維持・向上において、定期的な設備の取得・増強・更新が必要であることが推察される。
第2-2-43図 設備投資の実施状況(業種別)
| 業種 | 実施した (%) | 実施していない (%) |
|---|---|---|
| 建設業 (n=5,605) | 36.3% | 63.7% |
| 製造業 (n=5,713) | 52.7% | 47.3% |
| 情報通信業 (n=542) | 32.1% | 67.9% |
| 運輸業、郵便業 (n=899) | 59.8% | 40.2% |
| 卸売業 (n=3,660) | 28.0% | 72.0% |
| 小売業 (n=2,330) | 33.2% | 66.8% |
| 不動産業、物品賃貸業 (n=764) | 38.2% | 61.8% |
| 宿泊業 (n=280) | 61.4% | 38.6% |
| 飲食サービス業 (n=1,035) | 42.6% | 57.4% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 (n=535) | 38.3% | 61.7% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 (n=633) | 51.5% | 48.5% |
| サービス業(他に分類されないもの) (n=1,706) | 41.9% | 58.1% |
| その他 (n=886) | 39.2% | 60.8% |
資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」
(注)1.直近5年間程度の設備投資の実施状況について聞いたもの。なお、ここでの「設備投資」とは、直近決算期における売上高(年商)対比で10%以上の規模の設備投資を指す。また、複数回にわたって設備投資を実施しており、投資総額が売上高(年商)対比10%以上となる場合は、「実施した」として集計している。
2.「その他」は、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」、「その他」と回答した事業者の合計。
第2-2-44図は、第2-2-43図において設備投資を「実施した」と回答した割合が特に高かった業種 35 について、直近5年間程度の設備投資の実施状況別に、5年間のスケール変動状況を見たものである。これを見ると、業種によってスケールアップを実現した割合の水準に差があるものの、
いずれの業種においても「実施した」と回答した事業者は、「実施していない」と回答した事業者よりも、スケールアップを実現している割合が高いことが分かる。この調査結果から一概にはいえないが、設備投資の実施は、スケールアップに向けて有効な投資行動の一つであると考えられる。
35 「宿泊業、飲食サービス業」、「運輸業、郵便業」、「製造業」を抽出した。なお、「宿泊業」については、サンプル数が少なかったため、「飲食サービス業」と統合している。