第2-2-63図は、M&Aを実施していないものの意欲はある事業者に対し、実施に当たっての障壁を確認したものである。これを見ると、「買収判断に必要な情報収集・分析」と回答した割合が最も高く、次いで「買収先の発掘」、「買収資金の調達」と続いていることが分かる。「買収先の発掘」と回答した割合は、第2-2-62図で確認したM&Aを実施した事業者に聞いた課題と比較すると、特に大きな差があることが見て取れる。M&Aを一度以上実施すると、情報収集ノウハウの
蓄積に加え、仲介業者や金融機関等の支援機関から買収候補先の紹介や打診が得られるようになるなど、買収候補先の情報収集が容易になるといった要因が考えられる。
一方で、「買収先の経営陣・従業員の理解を得ること」と回答した割合は、M&Aを一度以上実施した事業者の方が高い割合を示している。M&Aを実際に経験する中で、買収前に想定していた以上に、買収先の経営陣や従業員との関係構築に苦労している様子がうかがえる。
第2-2-63図 M&A実施に当たっての障壁
(n=3,874)
| 障壁 | 割合 |
|---|---|
| 買収判断に必要な情報収集・分析 | 48.6% |
| 買収先の発掘 | 47.5% |
| 買収資金の調達 | 37.7% |
| 買収先の経営陣・従業員の理解を得ること | 27.7% |
| 仲介手数料の費用負担 | 26.1% |
| 適切な相談相手の確保 | 23.1% |
| 煩雑な買収手続きへの対応 | 18.2% |
| 自社の役員・従業員の理解を得ること | 14.8% |
| 買収先のステークホルダーの理解を得ること | 13.0% |
| その他 | 3.7% |
| 特にない | 9.0% |
資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」
(注)1.組織形態について「法人」と回答した事業者に聞いたもの。
2.ここでの「M&Aの実施」とは、他社又は他社事業を買収することを指す。なお、「他社の買収」とは議決権過半数に当たる株式を取得すること、「他社事業の買収」とは事業譲受のことを指す。いずれも有償・無償かは問わない。
3.直近5年間程度において、他社又は他社事業(M&A)を「買収していない(買収意欲はある)」と回答した事業者に聞いたもの。
4.複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。