事例:株式会社イノウエ
埼玉県秩父郡長瀞町に本社を置く株式会社イノウエは、1949年創業の老舗菓子店で、川越市内の豆菓子専門店は「小江戸まめ屋」として地元に愛されている。秩父地方の幻の大豆「秩父借金なし大豆」を使用した和菓子で、最高技法の手技で作る希少な逸品の「きなこまめ」や、日本お土産アカデミーでグランプリ賞を受賞し、日本一の土産に選出された実績もある「秩父借金なし大豆のお漬物」等、職人の技術と高品質な商品の品ぞろえを武器に事業を展開していた。
同社の経営方針を転換するきっかけは、2019年からのコロナ禍による売上低迷であった。国内市場の伸び悩みを以前から感じていた井上社長は、腕利きの和菓子職人の手技で作り上げた豆菓子の味を世界中に広め、海外需要を獲得したいと考えるようになっていた。そうした中、取引先の商社からジェトロを紹介され、新規輸出1万者支援プログラムの存在を知り、海外展開への挑戦を決意。2023年5月に本プログラムへ登録し、海外市場開拓を目指した本格的な取組を開始した。
初の海外展開で現地の情報収集が必要と感じた同社は、ジェトロの「海外ブリーフィングサービス」を利用し、タイや近隣国の市場規模や規制、現地の食文化や味の嗜好等の調査から始めた。同年9月からはジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」で専門家のハンズオン支援を受けながら、海外商談に向けた準備を進めた。
2024年1月にはバンコクで開催された「JAPAN SELECTION」に出展。プロモーションや商談を重ねた結果、現地の日系小売事業者から高く評価され、テスト販売のオファー獲得につながった。帰国後も交渉と準備を重ね、同年8月からバンコクのタニア地区店舗でテスト販売を開始したほか、11月には「Siam Takashimaya 6周年記念」にポップアップ店舗を出店するに至った。
同社は、更なる海外市場の開拓を目指し、常温長期保存やハラール対応等、輸出規制をクリアする商品の開発・生産に向け、新工場建設に着手。秩父の食材をいかした豆菓子を世界中に広めるため、今後も海外市場の開拓に取り組んでいく。
A photograph of the exterior of a traditional Japanese shop named "小江戸まめ屋" (Koedo Mameya). The building is a two-story structure with a distinctive architectural style, featuring a large, ornate gabled roof with decorative elements. The facade is made of light-colored wood or plaster, and there are large windows on the upper floor. The shop is located on a street corner with a traffic light visible in the foreground. The surrounding area includes other buildings and street signs, suggesting an urban or suburban setting in Japan.
豆菓子専門店の外観「小江戸まめ屋」の外観