第2-2-5図は、中小企業庁「中小企業実態基本調査」により、中小企業の1社当たり直接輸出額をスケール別に確認したものである。これを見ると、輸出の実施割合と同様の傾向であり、スケールが大きくなるほど直接輸出額が大きくなること
が分かる。特に、「100億円超~200億円以下」は「50億円超~100億円以下」の約2.5倍の実績となっており、100億円企業は輸出による外需獲得に大きく貢献していることがうかがえる。
第2-2-5図 1社当たり直接輸出額(スケール別)
| スケール別 | 1社当たり直接輸出額(百万円) | サンプル数 (n) |
|---|---|---|
| 1億円以下 | 0.2 | 999,879 |
| 1億円超~10億円以下 | 1.5 | 540,492 |
| 10億円超~50億円以下 | 30.3 | 84,169 |
| 50億円超~100億円以下 | 137.4 | 11,269 |
| 100億円超~200億円以下 | 342.5 | 4,122 |
資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」(令和4年度決算実績)再編加工
(注)1.ここで「直接輸出」には、商社等を通じたモノの間接輸出やサービスの輸出を含まない。
2.法人企業を対象に集計している。また、標本調査である関係上、本分析のnは推計値である。
本節では、スケールアップを実現した企業の存在感について、賃上げ、域内経済への貢献度合い、輸出による外需の獲得という三つの観点から確認した。賃上げの観点では、スケールが大きくなるほど、従業者一人当たりの賃金水準及び足下の賃上げ率が高まっている傾向があり、スケールアップの実現は、従業員の待遇向上に寄与している可能性が示唆された。次に、域内経済への貢献度合いについて、域内取引の観点から確認したところ、スケールが大きくなるほど、域内仕入高及び域内仕入率が高いことが分かり、スケールアップを実現した企業は、地域のサプライチェーンの
中で域内需要を創出し地域経済を牽引する役割を果たしている可能性も示された。最後に、外需の獲得の観点についても同様に、スケールが大きくなるほど、輸出の実施割合や輸出額が高まることを確認した。
事例2-2-1では、優秀な人材の確保・育成と定着に向けた取組を進め、海外需要を取り込んでスケールアップを実現した企業の事例を紹介する。
事例2-2-2では、地域での良質な雇用創出と、現地企業との連携による地方サプライチェーンの活性化に貢献し、地域経済を牽引する企業の事例を紹介する。