事例
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優秀な技術人材を育て上げ、スケールアップを実現した企業
所在地 京都府京都市
従業員数 125名
資本金 1億円
事業内容 生産用機械器具製造業
株式会社西村製作所
▶ 幅広い製品ラインナップと、取引先のニーズに応える技術力、メンテナンス体制が強み
京都府京都市の株式会社西村製作所は、多種多様なスリッターを製造する企業である。スリッターはシート状の材料を任意の幅に裁断する産業機械であり、身近なものではアルミホイルや粘着テープ、スマートフォンや電気自動車のリチウムイオン電池等の製造過程で使われている。同社は日本で初めてスリッターを製造した1950年代以来、布用、紙用、フィルム用等の多様な材料の切断に対応する製品を製造してきた経験から、幅広い製品ラインナップを有する。また、取引先のニーズに応えるオーダーメイドの製品設計及び製造を可能にしている高い技術力、手厚いメンテナンス体制を築いていることも同社の大きな強みである。
▶ 技術力の源泉である、優秀な人材の確保・育成と定着に向けた取組を進める
同社の技術力の源泉は、優秀な人材の存在である。まず、人材確保に当たっては、近隣の大学や工業高校とつながりを持ち、自社にマッチする人材を狙い撃ちで採用する方針をとっている。採用した若手人材の定着に向けては、風通しの良い職場づくりはもちろんのこと、入社3年までは定期面談を実施するといった取組の成果もあり、「大卒採用、高卒採用いずれも入社後3年以内の離職者を発生させていないため、大学や工業高校の信頼も厚く、それが次の優秀な人材の紹介につながっている」と同社の西村久人社長は話す。また、的確なOJT指導によりベテラン社員のノウハウを承継し若手社員の技術力をじっくりと高めながら、優秀な人材を確保・育成し、定着させてきた。同社の岡田則之常務は、「せっかく人材を育てても、辞めてしまったら意味がない。会社のパフォーマンスを維持・向上させるためには、離職率をいかに下げていくかが重要である」と話す。
▶ 技術人材を総動員し、海外需要を取り込んでスケールアップを実現
西村社長が「売上高の8割が海外売上げで、創業後の早い段階から海外市場の開拓に取り組んできた」と話すように、同社は「NISHIMURA」のネームバリューを地道に高め、海外需要を捉えてきた。
2020年以降に電気自動車の急速な普及という世界的な変化が訪れ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により海外渡航ができず競合他社が営業活動に取り組めない中で、感染症の感染拡大以前から営業活動を仕掛けていた同社は中国のバッテリーメーカーから大量の受注を獲得。2023年2月に新たに亀岡工場を新設して生産能力を増強しながら、同社が育て上げた優秀な技術人材50名を総動員することで、大量受注に対応することができた。このような成長機会をつかんだことで、売上高は2016年3月期の34億5,000万円から2022年3月期に71億円へ倍増、2024年3月期には200億円を突破し、大幅なスケールアップを実現した。売上拡大は社員への利益還元にもつながっており、定期昇給はもちろんのこと、2023年度の賞与は支給給与の8.5か月分という中小製造業では異例の数値である。「あらゆる分野の技術革新の波に負けないよう、人材育成の環境を整えながら一層技術力を高め、この先も更に成長していきたい」と西村社長は語る。
西村久人社長
セパレータフィルム用スリッター
社員旅行の集合写真