③知的財産権の活用状況
先行研究 45 では、経済・社会のデジタル化が進む中で、企業が自社の中核的な経営資源を守る戦略の重要性が高まっていることを指摘している。
ここからは、中小企業の知的財産権の出願、使用及び所有状況について確認していく。第2-2-
82図は、特許出願件数に占める中小企業による出願件数の割合を見たものである。これを見ると、我が国の企業の99.7%を中小企業が占める 46 中で、中小企業による出願件数の割合は2割弱にとどまっていることが分かる。
第2-2-82図 特許出願件数に占める中小企業割合(2023年)
| 企業区分 | 割合 |
|---|---|
| 中小企業 | 17.6% |
| 大企業 | 77.8% |
| その他 | 4.7% |
資料:特許庁総務部普及支援課調べ
(注)1.特許出願件数は、内国人による特許出願件数であり、2023年の数値を集計している。なお、ここでの「内国人」とは、日本国内に事業所を有する企業等を指す。
2.「その他」には、国・自治体、その他の法人(大学法人や独立行政法人等)、個人が含まれる。
45 公益社団法人中小企業研究センター(2022)は、「イノベーションの実現を目指すプレーヤーとしての個人が企業、研究・教育機関等の所属組織の別なく、極めて迅速に、かつ低コストで世界規模で情報を交換することが可能になり、イノベーションの実現による知的財産形成のスピードアップに寄与した」と同時に、その一方で、「知的財産のコピーも極めて低コストで行えるようになった」という弊害に言及した上で、経営資源を守る戦略の重要性を指摘している。
46 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」再編加工