事例

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外国人材と共にイノベーションを起こし、成長している企業

所在地 山形県山形市
従業員数 239名
資本金 6,900万円
事業内容 金属製品製造業

スズキハイテック株式会社
▶ 受託型で業績低迷、開発型企業への転換を目指す

山形県山形市のスズキハイテック株式会社は、1914年創業のメッキによる表面処理加工を手掛ける企業である。半導体分野を主力に約25億円の売上高にまで堅調に成長してきたが、リーマン・ショックによる景気後退、東日本大震災に端を発する主要顧客の工場移転等が重なり、鈴木一徳社長が就任した2015年度には約16億円にまで売上高が低下。その後も売上高の低下に歯止めがかからず、「どん底。非常に厳しい局面だった」と鈴木社長は当時を振り返る。このような状況下、鈴木社長は従来の図面どおりに製造する受託型企業では生き残りができないと考え、「自社がスペックを作る」開発型企業への転換に舵を切った。

▶ 高度外国人材が社内で活躍。外国人材の採用を本格化し、働きやすく、過ごしやすい環境整備に注力

同社の開発型企業への転換をリードしたのは外国人材の能力であった。同社が外国人材を採用するようになったのは、メキシコ現地法人設立のため、2015年に山形大学に留学していたボリビア人と中国人の高度外国人材を採用したことがきっかけだった。同2名が活躍している姿を確認し、2018年からは外国人材の採用を本格化。現在では同社の国内拠点に5か国93名が在籍し、全従業員の約4割を占める。驚異的なのは、高度外国人材が4月に採用が決まっている新入社員を含め40名を超えることだ。外国人材を確保するためには「経営トップの関与が欠かせない」と鈴木社長は語る。同社では、外国人材が働きやすく、また、過ごしやすい環境の整備に力を入れてきた。働きやすさでは、「理解と尊重の共有」を重視し、外国人材に対して日本の文化・習慣を丁寧に教えるだけでなく、日本人従業員にも外国文化への理解を進めた。また、高度外国人材の確保では、特に「働く目的・価値」の共有が重要だという。採用前には必ず社長が面談し、外国人材の希望や目標と同社が期待する役割のすり合わせを丁寧に行っている。過ごしやすい環境は、試行錯誤して作り上げてきた。日本語教室の開催、孤立防止の取組、病院や役所への付き添いなど日常生活の手厚い支援に加え、外国人材のライフサイクルにも対応。結婚して家族同伴を希望する外国人材に対しては配偶者も雇用するほか、子育てでもサポートし、鈴木社長自ら学校に挨拶へと出向いているという。2025年2月には外国人材専門のサポート部署を新設し、更なる支援強化に取り組んでいる。これらの取組により外国人材の間で同社の名前が広まり、入社希望者が絶えず、定着率も非常に高い水準にある。

▶ 外国人材と日本人従業員の技術が融合。イノベーションを起こすことで成長を実現

博士号を取得した高度外国人材の入社が増加し、受託型企業であった同社に不足していた開発力を獲得。さらに、外国人材の柔軟な考え方や積極性は、同社の日本人従業員の意識変化も引き起こし、イノベーションに果敢に挑戦する会社風土へと変わっていった。この外国人材と同社の技術の融合によるイノベーションの最も顕著な成果は、自動車部品のメッキ加工だ。同社から世界初となる技術が生まれ、世界の自動車メーカーで採用が広がっている。2019年度には11億円にまで低下した売上高は、2023年度に約42億円へとV字回復を遂げ、2029年度には92億円を見込む。「外国人材がいなければ、この成長は絶対に成し得なかった。多様性が組織を変革し、それまででは考えられなかったイノベーションが起きた。これからも世界で当社にしかできない技術を生み出すことで成長していきたい」と鈴木社長は語る。

鈴木一徳社長の肖像写真
鈴木一徳社長の肖像写真

鈴木一徳社長

外国人材とのパーティーの様子
外国人材とのパーティーの様子

外国人材とのパーティーの様子

工場で活躍する外国人材
工場で活躍する外国人材

工場で活躍する外国人材