コラム
2-2-1 ③図
エクイティ・ファイナンスによる成長資金の調達
企業の抱える ネガティブなイメージ
- ・ 経営の自由度が低下する。
- ・ より高い収益へのプレッシャー。
- ・ 高いリターンを求められる。
- ・ 経営権が奪われる。
エクイティ・ファイナンスの メリット
- ・ 長期的に資金を活用できる。
- ・ 返済が伴わないため、財務基盤が安定する。
- ・ 引受先から経営、事業に関する支援を受けられる。
- ・ 種類株式の発行などで安定経営の維持も可能。
エクイティ・ファイナンスに 適したケース
-
・ 既存の事業から外れた
新規事業
を行うとき
➤ 事業性評価が難しくデットでは調達しづらい。 -
・
早期にキャッシュフロー化が見込めない事業
を立ち上げるとき
➤ デットは事業の進捗にかかわらず返済が発生。 -
・ 成長のために
大企業のネットワーク、技術、ヒトを使いたいとき
➤ 大手事業会社との資本提携ではエクイティが活用される。
エクイティ・ファイナンス 以外の調達方法を検討すべきケース
-
・ リソーススペースビューによる成長投資(既存事業に関する追加投資など)
➤ 金融機関に事業性評価されやすいため、コストの低いデットでの調達を検討。 -
・ 早期にキャッシュフローが生まれる蓋然性が高い
➤ すぐに返済が始まり、コストも低いデットでの調達を検討。 -
・ 株主総会の厳格な運営や投資契約事項の遵守などの社内ガバナンスが未整備
➤ まずはガイドライン等を活用してガバナンスの構築・強化を行う。
➤ 参考: 中小エクイティ・ファイナンス活用に向けたガバナンス・ガイドライン
資料:中小企業庁「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会第2次中間報告書」
(2)人材の確保・育成と組織体制の構築
本研究会では、中小企業が成長していくためには、「組織としての総合的な能力」(ケイパビリティ)を向上させていく必要があることが示唆された。そのために必要となる要素を、人材への投資、現状の組織体制に整合する人材確保・育成に分けて、議論を深めた。
人材への投資に関しては、主に経営人材に着目し、経営者だけが成長志向に至っても、組織内で孤立するおそれがあることなどを踏まえ、経営者を支える経営幹部の育成にも焦点が当てられた。
経営者・経営幹部の育成には、中小企業大学校の研修の継続的な活用や、専門家を派遣する独立行政法人中小企業基盤整備機構のハンズオン支援が有用であると考えられる。
現状の組織体制に整合する人材確保・育成に関しては、経営戦略と人材戦略を一体的に構想・実践することを説く「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」(2023年6月)の活用を推奨し、戦略的な組織・人材戦略策定に当たっての糸口とするよう発信した。
また、同ガイドラインでは、内閣府や金融庁の公的機関のほか、民間の人材マッチング事業を取り上げており、これらが活用され、中小企業の構想する具体的な組織体制とこれに整合する人材の確保・育成が促進されることが期待される。