コラム

2-2-3 地域の良質な雇用の創出に向けた産業立地の推進

経済産業省産業構造審議会経済産業政策新機軸部会では、累次の検討作業の中で、少子化対策に資する「地域の包摂的成長」をミッションとして掲げてきた。この観点から、地域において、地域の稼ぐ力を高め良質な雇用を創造することで、地域の所得水準の引上げや豊かな生活環境を併せて実現していくことが重要である。

地域経済を牽引する中堅・中小企業の内発的成長を促進することに加えて、国内外の幅広い分野の国内投資を呼び込むことで、地域に良質な雇用を生み、関連企業を含めたサプライチェーンの活性化など地域経済に波及効果をもたらしていく中で、円滑な投資の障壁となる課題に対処する産業立地政策の重要性がとりわけ増している。過去の政策の成果と反省を検証しつつ、新しい地方創生と産業政策を一体的に推進する方策について検討を進め、産業立地政策を力強く推進していく必要がある。

1. 国内立地の促進により局所的に不足する産業用地

近年、地政学リスクに伴うサプライチェーンの見直し等に加え、GX・DXや経済安全保障、中堅・中小企業政策の強化も相まって、30年ぶりとなる水準の賃上げ、100兆円を超える設備投資、史上最高値水準の株価、GDPも初めて600兆円の大台を超えるなど、国内投資に「潮目の変化」が起きている。この変化を継続させるためには、予算・税制・規制緩和等あらゆる政策を総動員し、積極的な政策を更に展開していくことが必要であり、とりわけ、製造業を中心に国内回帰が進み、今後の産業立地も加速する中で、産業用地整備は地方経済の成長をもたらす観点から、ますます重要になってきている。

一部の地域では大型投資も生まれており、サプライチェーンを担う地域の中堅・中小企業も含めた投資が相次いでいる。コラム2-2-3①図のとおり、直近では1社当たりの平均立地面積も大きくなっている。また、産業立地ニーズは、立地条件の良いエリアや既存の産業集積の近傍に集中する傾向にあるが、企業ニーズの強い地域では産業用地の開発スピードが追い付いておらず、分譲可能な産業用地の面積ストックは、この10年で半減している。