2. 産業用地不足に対する政策的方向性
経済産業省をはじめ、政府機関においては、産業用地不足に対し、活用ポテンシャルの観点から、①整備済で未利用の産業用地、②重厚長大産業の大規模跡地及び③新規造成の三つの観点で取り組んでいく方向で検討が進められている。
- ①整備済で未利用の産業用地については、土地に関する非公表情報が多く企業による適地情報へのアクセス手段が限定的という点があり、産業用地のミスマッチの解消に向けたマッチングの仕組みの構築が必要である。ミスマッチの解消に向けたマッチングに関しては、工場立地法に基づく工場適地調査の結果を活用し、令和7年度からは、日本立地センターの事業において、円滑な企業立地の促進を図るべく、専門人材が間に入り、産業用地を探している企業と地方公共団体との間のマッチングを、企業が求める立地条件に関する調整も含めて行う予定である。
- ②重厚長大産業の大規模跡地については、土地の用途転換には、汚染状況調査に加え、場合により土壌汚染対策が必要になるが、事前にその要否が分からないために転換の判断に至りにくいという課題がある。また、外部環境変化に伴う様々なコストアップにより、中小企業にとっては、土壌汚染対策費用の確保が困難になっている。環境省において検討されている土壌汚染対策法の見直しを契機として、予見可能・合理的な制度運用(例:人の健康被害が想定されにくい臨海部等)となることが期待される。
- ③新規造成については、産業用地の取得や土地利用調整手続の円滑さ、地方公共団体におけるノウハウのぜい弱化等、地方公共団体の産業用地・インフラ投資へのリスク回避的傾向に課題がある。地方公共団体におけるノウハウの補完に関しては、今後も前述の日本立地センターによる伴走支援事業の強化を行いつつ、地方公共団体と民間ディベロッパーの連携についても促進していく必要がある。
産業立地政策は、地域の中堅・中小企業も含めたサプライチェーンの活性化など、地域経済に様々な波及効果を創出し、地域の「しごと」の創出につながる重要な取組である。今後も、政府としては、「潮目の変化」を継続させ国内投資を呼び込み、産業政策と一体となった新しい地方創生を推進していくため、産業用地整備をはじめ、関連インフラ整備、人材確保・育成などの幅広い課題に対して、関係省庁で連携して取り組んでいく。