次に、経営の透明性を高めるための組織管理・運営の取組について確認していく。
第2-2-25図は、組織管理の取組である「従業員への経営理念・ビジョンの共有」の取組状況について、スケール別に確認したものである。これを見ると、スケールが大きくなるほど、「十分取り組んでいる」又は「ある程度取り組んでいる」と回答した割合が高くなっていることが分かる。
続いて、「従業員への経営理念・ビジョンの共有」の取組状況とスケール変動状況の関係性について見ていく。第2-2-26図は、「従業員への経営理念・ビジョンの共有」に「取り組んでいる」事業者と「取り組んでいない」事業者について、5
期前のスケール別に、スケール変動状況を確認したものである。これを見ると、いずれのスケールにおいても「取り組んでいる」事業者の方がよりスケールアップを実現していることが分かるが、「取り組んでいない」事業者との差については、「50億円以上~100億円未満」のスケールにおいて最も大きい。スケールが大きい事業者ほど抱えている従業員数も多く、経営に関する経営者の考えを自らの言葉で従業員全員に伝えることが難しくなる中、経営理念・ビジョンという形で従業員に浸透させる仕組みを構築できているか否かがスケールアップの実現に向けた一要素となっている可能性がうかがえる。
第2-2-25図 従業員への経営理念・ビジョンの共有の取組状況(スケール別)
| スケール別 | 十分取り組んでいる | ある程度取り組んでいる | あまり取り組んでいない | ほとんど取り組んでいない |
|---|---|---|---|---|
| 10億円未満 (n=17,106) | 14.1% | 50.3% | 21.0% | 14.5% |
| 10億円以上~50億円未満 (n=5,934) | 24.9% | 57.4% | 14.2% | 3.4% |
| 50億円以上~100億円未満 (n=917) | 31.3% | 56.9% | 9.3% | 2.5% |
| 100億円以上 (n=556) | 36.9% | 53.1% | 8.3% | 1.8% |
資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」
(注)ここでのスケールは、直近(1期前)の売上高に基づいて集計しており、1期前において「事業を開始していない」と回答した事業者は集計から除いている。