第2-2-58図は、M & Aを実施した事業者の買収目的について、スケール変動状況別に確認したものである。これを見ると、「スケールアップ」の事業者は、「横ばい・スケールダウン」の事業者と比べ、「市場シェアの拡大」、「人材の獲得」、「技術・ノウハウの獲得」と回答した事業者の割

合が高いことが分かる。その中でも、「人材の獲得」で最も大きい差があることに着目すると、人材不足というリソースの制約をM & Aによる「人材の獲得」で解消し、スケールアップを果たしてきたことがうかがえる。

第2-2-58図 M&Aの目的(スケール変動状況別)

Horizontal bar chart comparing M&A purposes for 'Scale Up' (n=421) and 'Flat/Scale Down' (n=962) groups. The chart shows percentages for various purposes like market share expansion, talent acquisition, and technology acquisition.
目的 スケールアップ (n=421) 横ばい・スケールダウン (n=962)
市場シェアの拡大 50.4% 46.2%
人材の獲得 33.3% 23.6%
新事業展開・異業種への参入 30.2% 30.8%
技術・ノウハウの獲得 26.6% 20.6%
廃業予定先の救済 18.5% 19.8%
買収先の雇用維持 16.9% 13.9%
コスト低減・合理化 11.9% 8.6%
事業用資産の獲得 10.9% 10.6%
サプライチェーンの維持 8.6% 6.8%
ブランドの獲得 7.4% 4.3%
その他 5.2% 6.2%
特にない 1.9% 5.1%
Horizontal bar chart comparing M&A purposes for 'Scale Up' (n=421) and 'Flat/Scale Down' (n=962) groups. The chart shows percentages for various purposes like market share expansion, talent acquisition, and technology acquisition.

資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」

(注)1.組織形態について「法人」と回答した事業者に聞いたもの。

2.直近5年間程度において、他社又は他社事業を買収(M&A)したと回答した事業者に聞いたもの。「他社の買収」とは議決権過半数に当たる株式を取得すること、「他社事業の買収」とは事業譲受のことを指す。いずれも有償・無償かは問わない。

3.複数回実施している場合は、最もプラスの効果を及ぼしたと思うM&Aについて聞いている。

4.5期前と今期見通しの売上高を比較して、第2-2-6図の売上高区分を基に、上方遷移した場合を「スケールアップ」、スケールの変動がない場合又は下方遷移した場合を「横ばい・スケールダウン」と定義している。

5.複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。