事例:埼玉県中小企業診断協会による「中小PMI支援専門家養成研修」

中小企業診断士や税理士などの士業は、地域金融機関やM&A支援機関などと並んで、中小企業へのPMI支援の担い手として期待される。一方で、PMI支援に当たっては、士業が持つ専門性に加えて、M&AやPMIに関する一定の専門的な知見が求められることから、支援機関のキャパシティビルディングも重要な課題であるため、ここでは、士業団体が独自に行う、会員士業向けのPMI研修について紹介する。

従前から事業承継・引継ぎ支援センターと連携して事業承継支援を積極的に行ってきた一般社団法人埼玉県中小企業診断協会は、2022年3月に、中小企業庁と一般社団法人中小企業診断協会(現:一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会)が、PMIを中心に中小企業の事業承継・引継ぎに関して連携して取り組むことを共同で宣言したことを契機として、PMI支援に向けた会員向け研修を実施するなど、先駆的な取組を開始した。

埼玉県のみならず、近郊各県の診断協会から受講者を募ったところ、2023年9月~11月に計6回にわたって実施した第1回目の開催では、9県から73名が参加し、2024年9月と10月に計6回にわたって実施した第2回目の開催では、8県から55名が参加した。講義内容は、独立行政法人中小企業基盤整備機構関東本部の支援も受けて策定し、1回3時間程度、中小PMIガイドライン及び実践ツールの解説や、中小企業経営者からのPMIの講話、ロールプレイングを実施したほか、PMIはM&Aと一体不可分なことから、M&Aの総論やM&A案件の掘り起こし、マッチングや実行手続きも研修の内容に盛り込んだ。

研修の受講終了後の受講者へのアンケートでは、参加者の8割が今回の中小PMI業務研修を知り合いの中小企業診断士に「積極的に受講を推奨したい」と評価するとともに、中小PMI業務に「積極的に取り組む(チャレンジする)」意向の参加者が6割を超えるなど、高い評価を得ている。

埼玉県中小企業診断協会では、2024年7月に埼玉りそな銀行と締結した包括連携の枠組みを活用して、同行のM&A資金の融資先においてPMI支援案件の橋渡しを受けるなど、独自の連携も進めている。今後、こうした独自の取組が、全国に広まっていき、中小企業のPMI支援を実施する支援機関が拡大していくことが期待される。

コラム
2-2-5②図
PMIセミナーの修了式の模様ほか
A group photo of participants and organizers at the conclusion ceremony of the PMI seminar.
A group photo of participants and organizers at the conclusion ceremony of the PMI seminar.
A '中小PMI支援マスター認定証' (Small Business PMI Support Master Certification Certificate) issued by Saitama SMECA.
A '中小PMI支援マスター認定証' (Small Business PMI Support Master Certification Certificate) issued by Saitama SMECA.
A '修了証' (Completion Certificate) for the seminar.
A '修了証' (Completion Certificate) for the seminar.

資料:(一社)埼玉県中小企業診断協会提供