②海外直接投資の実施状況と効果
中小企業白書(2016) 49 では、海外直接投資の実態と効果等について分析しており、海外直接投資の実施が中小企業の生産性を高める可能性があることを指摘している。ここからは、足下の海外直接投資の実施状況、スケールアップとの関係性、海外直接投資の目的について確認していく。
第2-2-90図は、アンケート調査を用いて、海外直接投資の実施状況を見たものである。これを見ると、「実施している」と回答した割合は「全体」
で1割にも満たない中で、業種別では「製造業」が最も高く、次いで「卸売業」、「情報通信業」と続いていることが分かる。一方、「飲食サービス業」をはじめとしたサービス業は、「実施している」と回答した割合が低い傾向にあるが、BtoCビジネスは現地の商慣習を含めたカントリーリスクを適切に把握する必要があるなど、投資によるリスクとリターンを見極めることが難しいといった要因が考えられる。
第2-2-90図 海外直接投資の実施状況(業種別)
| 業種 | 実施している (%) | 実施していたが、今はしていない (%) | 実施したことがない (%) |
|---|---|---|---|
| 全体 (n=24,588) | 3.8 | 0.0 | 93.2 |
| 建設業 (n=5,605) | 0.0 | 0.0 | 97.8 |
| 製造業 (n=5,713) | 8.3 | 0.0 | 85.9 |
| 情報通信業 (n=542) | 5.5 | 0.0 | 91.5 |
| 運輸業、郵便業 (n=899) | 0.0 | 0.0 | 96.6 |
| 卸売業 (n=3,660) | 6.3 | 0.0 | 88.5 |
| 小売業 (n=2,330) | 0.0 | 0.0 | 97.0 |
| 不動産業、物品賃貸業 (n=764) | 0.0 | 0.0 | 97.1 |
| 宿泊業 (n=280) | 0.0 | 0.0 | 98.9 |
| 飲食サービス業 (n=1,035) | 0.0 | 0.0 | 98.4 |
| 学術研究、専門・技術サービス業 (n=535) | 0.0 | 0.0 | 94.8 |
| 生活関連サービス業、娯楽業 (n=633) | 0.0 | 0.0 | 98.3 |
| サービス業(他に分類されないもの) (n=1,706) | 0.0 | 0.0 | 96.4 |
| その他 (n=886) | 0.0 | 0.0 | 95.9 |
資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」
(注) 1. ここでの「海外直接投資」とは、出資により海外に法人を設立すること、及び、企業が海外現地法人に資本参加することを指す。
2. 「その他」は、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」、「その他」と回答した事業者の合計。
49 2016年版中小企業白書第2部第3章第2節及び第3節を参照。