第2-1-35図は、企業類型のうち「同族企業」における、財務戦略の取組について、取締役会と社外取締役の有無による差異を見たものである。これを見ると、取締役会や社外取締役による内外の目を取り入れている企業では「財務内容の健全化」、「部門・製品別のコスト管理」など、成長やリスク管理のために重要な戦略に取り組んでいる

割合が高いことが分かる。特に、取締役会設置の有無で取組に大きな差異が見られる。また、社外取締役を登用することで、若干ではあるが、更に取組を進めている様子も見て取れる。この調査結果から一概にはいえないが、成長やリスク管理において取締役会や社外取締役といったガバナンス体制が寄与していることが考えられる。

第2-1-35図 同族企業の財務戦略(取締役会・社外取締役の有無別)

Horizontal bar chart showing financial strategy implementation by governance type for family-owned companies. The chart compares three groups: Board & External Director (n=1,305), Board & No External Director (n=8,805), and No Board & No External Director (n=4,834).
財務戦略 取締役会設置×社外取締役登用 (n=1,305) 取締役会設置×社外取締役非登用 (n=8,805) 取締役会非設置×社外取締役非登用 (n=4,834)
財務内容の健全化 54.6% 53.9% 43.7%
資金繰りの安定化 50.2% 49.1% 43.9%
利益率重視の経営 39.8% 40.3% 33.6%
部門・製品別のコスト管理 38.2% 32.1% 23.1%
赤字に陥らない経営 35.9% 38.0% 36.4%
成長率の維持・向上 27.0% 23.0% 19.2%
仕入・生産量の適正化 25.6% 23.9% 21.2%
その他 0.9% 1.2% 1.6%
財務諸表分析・管理会計は行っていない 2.4% 3.5% 6.5%
Horizontal bar chart showing financial strategy implementation by governance type for family-owned companies. The chart compares three groups: Board & External Director (n=1,305), Board & No External Director (n=8,805), and No Board & No External Director (n=4,834).

資料:(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」

(注)1.組織形態について「法人」と回答した事業者に聞いたもの。

2.ここでの「社外取締役」とは、次の①~③の全てに該当する人物。①経営者又は筆頭株主の親族でない②現在及び過去に自社や自社の親・子会社の役員や従業員でない③経営陣に対して、監督機能や企業戦略の方向性を示す等の役割を発揮している。

3.企業類型「同族企業」に該当する企業について集計したもの。

4.複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。