③まとめ

本項では、輸出と海外直接投資を中心に、海外展開の実施状況、その目的や効果等について確認した。まずは輸出について、アンケート調査を用いて、その実施状況を確認すると、全体では約1割の企業が輸出を実施しており、業種別では「製造業」が3割超と最も高いことが分かった。スケール別の輸出の実施状況では、スケールが大きくなるほど、輸出を実施している割合が高くなっていることも確認した。また、直接輸出の実施企業と非実施企業の売上高の推移を確認したところ、実施企業は非実施企業よりも、売上高をより高めていることが分かり、特に比較的小規模な企業ほど売上高増加につながっており、将来的なスケールアップを見据え、早い段階から輸出に取り組むことが重要である可能性が示唆された。

次に、海外直接投資について、アンケート調査

を用いて、業種別の海外直接投資の実施状況を確認したところ、「実施している」と回答した割合は、全体で1割にも満たない中で、業種別では、「製造業」が最も高く、次いで「卸売業」、「情報通信業」と続いていることが分かった。また、海外直接投資の実施状況別に、5年間のスケール変動状況を見ると、「実施している」事業者は、「実施していない」事業者よりも、スケールアップを実現している割合が高いことが示された。この結果から、海外直接投資は、スケールアップに向けて有効な投資行動の一つである可能性が示された。その一方で、海外直接投資は、国際情勢や為替相場の変動など、国内での投資と比べて不確定な要素が多く、自社の経営状況や外部環境を踏まえながら、より慎重な投資判断が求められる。

事例2-2-8では、緻密なマーケティングでニーズをつかんで輸出を軌道に乗せ、地元農家との共存共栄により成長する企業の事例を紹介する。